職員原田の思うこと

9月15日(月・祝)のTV放送
「アトリエ ブラヴォ 夢のニューヨークへ行く!」
たくさんの方に観て頂けたようで
やはりいろいろと反響がありました。

グッズを買いたい!
だったり、

見学に行きたい!(千葉や長野)
だったり、

取り組みがいい
だったり、

絵を購入したい
だったり、

うちの子に障がいがあるのでどんな風な対応を
したら良いかの相談だったり、

その他にもたくさん!
とてもありがたいことです。

その中で気になったことがありました。
それは、
「おたくの施設の方は軽度の方が多いですよね。
だからああいった活動ができるんですね。」
というものです。

軽度、中度、重度の障がいはだいたいが
幼少期のIQテストで決まると思います。
うちのメンバーさんは比較的自閉症や自閉傾向の人が多いです。

言葉も話せるし、
歩けるし、
自分でズボンも履ける。

でも行動的には
自傷があったり、
多動だったり、
パニックがあったりと
他の施設と比較すると行動面での苦手なことが
多い人が集まっているように感じます。

今回のテレビ放送ではそんなことが見えなかったかもしれない。
だから、視聴者の方には
「軽度の人を集めてるからあんな風に
アメリカに行ったり、絵を仕事に出来るんだ」
と感じたかもしれない。

でもアトブラのあるメンバーさんは、
アトブラに来た時に五分とその場にいることができなかった。

だから、その場に長く居れる方法や
集中する場面を
外部での作業で多く取り入れて支援を行ってきた。

そして、経験や体験をし、実践からいろんな伝え方や
方法で学んでもらった。
これは、職員もあの手この手!!

そして、ニューヨークへの旅が可能になった。
日頃から職員がいろんな方法を考え、
メンバーさんと感じ合いながら今に至る。

これはメンバーさん、
そして職員にとってそんなに簡単なことではないです。

悩む…、
ぶつかる…、
右往左往…、しながらここまできました。
そして、アトブラの活動は
授産施設の部門にあるということで
仕事をすることや社会と繋がることに重きを置いてきました。
その結果がニューヨークへ繋がったんだと思います。

アトブラは
絵が上手い人や軽度の人(僕は軽度と思っていない)を
集めた訳ではありません。
偶然に、あるタイミングで集まったメンバーさんたち。
アトブラはこのメンバーさんたちで
何ができ?
何を伝える?などを考えました。

そして今があります。

世界中にいろんな施設があって
いろんなメンバーさんがいて、
いろんな職員がいる。
だから、他の施設がアトブラを目指しても
それは難しいと思うし、
全く同じことを目指したとしても
そこにいるメンバーさんたちに
主旨が合わずに苦痛になるだけだと思う。
そこはわかって欲しいなと思う。

施設にいるメンバーさん、
そして、施設内で行なっている活動内容や、
支援方針などいろんな物を見つめ直し考え、
何ができるのか?
それが大事だと思います。

ニューヨークへ行ったことが凄いのではなく、
ニューヨークへ行くまでになった
彼らの頑張りが凄いと思います。

そこは私にとって譲れない。
私の兄貴には知的障がいがあります。
そのためか、幼少期から
いろんな障がいを持つ方たちと出会い、
日頃から遊ぶことが多かった。
実際にJOY倶楽部にも働いている施設に
幼な馴染みがたくさんいます。

私は福祉の大学を2つ行きました。
その際、単位的にもう行かなくてもいいのに
いろんな施設をみたくて人の三倍は実習に行きました。
その中で出会った子だけは正直重度だと感じました。

その子は小学生の低学年。
肌が弱いため、
日が入らない部屋(窓がない)でガーゼにくるまれるような格好。
ガーゼの手袋に、
ガーゼの洋服に、
ガーゼの靴下と
肌が出ているとこがない。
そして、
目が見えない、
耳が聴こえない、
話すことができない、
知的障がいをも重複していた子でした。

六畳の部屋にタンスだけが置いてあり、
そこの職員に
「一緒に遊んであげて」と
言われて二時間ぐらい部屋にいた。
その子の雄一の好きな遊びは
部屋にいてあるタンスの開け閉め。

引き出しを「そっ」と持って
「そぉっ」と開けて閉めてを繰り返すこと。
閉まる感触と開ける感触を楽しんでいた。

私にできることは、まず
「今、僕は部屋に一緒に居るよ」と
出てるかもわからないオーラを
念じて集中して彼に伝えようとして30分。

気配を察知したのか?
それとも目の前に少し影ができて誰かいる?
と思ったのか、その子はニコリと笑いました。

いきなり手を触るのもビックリするだろうし、
どうしても驚かしたくなかったから念じて知らせること30分。

「ニコリ」と笑ったから
そっと手を触って
それから手を添えて引き出しの開け閉めを一時間半。

無音で
陽の明かりもなく、(紫外線が駄目だったので)
タンスしかない部屋。

タンスの開け閉めを二人で堪能しました。

彼と出会ってからもう10年は経つかな・
アトブラを初めて7年。
今の私で彼と再会してみたら、
もう少し違う遊びを一緒にできるかもしれないと
アトブラをやる中で感じています。

何ができるか?
軽度・中度・重度とかではなく、
その人、その人たちと何ができるか?
福祉に携わるならば
私はそのことを常に考えたいと思います。



2008.9.26 harada


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